2020年に行われる東京オリンピックに向けて、政府は訪日外国人を年間4000万人とする目標を掲げるなど、訪日外国人の誘致に力を入れています。そして、昨年日本を訪れた外国人は28,691,073人と2016年から約17%増となっています。*1

こうした動きの中、外国語ビジネスが活況です。オンライン英会話大手のレアジョブは2014年の上場以来右肩上がりの売上となっています。また、トレーニングジムで有名なRAIZAP株式会社もRAIZAP ENGLISH株式会社を立上げ、英会話事業に進出しました。

 

そんな外国語ビジネスに本格参入を決めたのが、今回ご紹介する「カフェ英会話♪」(以後カフェ英)です。代表の西川良輔さんにお話しを伺いました。

 

・カフェ英会話とは
・SNSで呼びかけ
・経営偉人の本を読んで勉強
・個人事業主から法人へ
・シニア人材の重要性
・新サービスの導入
・これからの課題

 

<カフェ英会話♪とは>

カフェ英は今から約10年前の2008年に西川さんが始めたサークルが基になってできた事業です。英語を話せる人同士でカフェに集まり、英語で交流するというスタイル。当時、外資系の会社から日本企業に転職し、これまで日常で使っていた英語を全く使う機会がなくなり、「英語を忘れてしまうのはもったいないな」と感じた西川さん。そこで、英語を話せる友人数名と仕事終わりにカフェに集まり、英語で会話をしようとできたのがカフェ英です。

 

<SNSで呼びかけ>

せっかくならと、当時流行っていたSNSに参加募集を告知。参加費は500円としました。
すると、すぐに参加希望者が予想を上回り、さらにメディアに立て続けに取り上げられた事で週2回、3回、朝、夕と回数や開催場所も増えていきました。企業に勤めながら活動をしていた西川さんは、さすがに体力がもたないと初期に使用していたカフェでの開催を打ち切る決心をしました。しかし、参加者からの強い要望と、参加者自身が当日の運営するという提案を受けて開催を継続することにしました。こうしてカフェ英の運営モデルが出来上がったということです。

 

<経営偉人の本を読んで勉強>

「自分が英会話を楽しめる場所が欲しかった」という西川さん。しかし、当初から500円の参加費を募るなど、そのビジネス感覚はどこから来ているのか気になりました。
伺うと、京セラの創業者稲盛和夫氏の著書やスターバックスを世界的コーヒーショップに成長させたハワード・シュルツ氏の著書を読んでビジネスの勉強をしていたそうです。カフェ英もサークルでありながら、西川さんのビジネススキルのアウトプットの場となっていたのかも知れません。

 

<個人事業主から法人へ>

これまで会社員をしながら続けていたカフェ英を、事業として本格的に運営していこうと決意した時に出会ったのが、現在のパートナーである小原さんです。
小原さんはすでに現役を引退されていて、カフェ英の参加者のお一人だったそうです。
大手外資系の副社長をされた経験と、MBAの知識をお持ちで、今後の事業拡大のマネジメントに不安があった西川さんは小原さんを口説いたそうです。

 

<シニア人材の重要性>

スタートアップ企業のアドバイザーに現役をリタイアした方が入る例というのは多々あります。創業間もない頃は社長一人で管理できていても、会社が大きくなるにつれ社長以外の管理職が必要になります。その時、若い会社の管理職の育成や採用は困難で、時間がかかることが多く、シニアの管理職経験者を採用することは大きなメリットになります。西川さんも小原さんの協力を得て、事業拡大のプランを考えることができたそうです。

 

<新サービスの導入>

小原さんと出会い、新たな事業モデルの推進に乗り出した西川さん。
これまでのサークル的な活動から、ネイティブによる英会話レッスンのサービスへと拡大しました。
ホームページから好きな会場(カフェ)、講師、日程で予約をして受講する形式で、1回60分1250円別途ドリンク代(プレミアムカフェ英会話)です。
価格も魅力的ですが、好きな時、場所、講師で自由に受講できるスタイルは忙しい社会人にも気軽に利用できそうです。
会話をスムーズに運ぶためのツールを用意するなど、レッスンへ工夫を取り入れています。

 

 

<これからの課題>

本格的に事業化するということで、「他社との差別化が課題」と語る西川さん。
顧客のニーズは価格も当然ながら、その受講スタイルの多様化にあります。
Skypeなどで受講できるオンライン英会話が伸びる一方、オンラインレッスン利用者へのアンケート調査※2によると、臨場感や、人との交流へのニーズも根強くあることが分かります。そしてそれは若い世代ほど多いのです。

 

筆者(35歳女性)も英会話に高い関心があります。
しかし、「スクール」に通うのは仕事をしながらではハードルが高く、しかしながらオンラインレッスンではちょっと味気ないと思ってしまうのです。
カフェ英はその丁度中間を埋めてくれるサービスなのかも知れません。

 

西川さんを取材して、一人のビジネスマンが「こんなのがあったらいいなぁ」をカタチにした事業の一つだと感じました。
会社員をしながらビジネスモデルを築いていった西川さんの例は、これからビジネスを始めようとする方にも大いに参考になる例です。
今後のカフェ英の発展に注目したいです。

カフェ英会話♪
https://cafeeikaiwa.jp/

<活動初期掲載された主なメディア>
これらのメディアで取り上げられ、一気に注目度が高まりました。
2009年10月25日【ラジオ】「NHKラジオ第1放送」渋マガZ

2010年4月23日【雑誌】「AERA English2010年6月号」

2010年9月18日【雑誌】「東洋経済」非ネイティブの英語術

現在も多くのメディアに取り上げられています。
https://cafeeikaiwa.jp/welcome.html#Media

 

 

*1JTB総研

*2三菱UFJリサーチ&コンサルティング「オンラインレッスンの動向整理」