厚生労働省がブラック企業に対する取り締まりを強化

勤怠管理がずさんであった結果から、過労死、安全配慮義務違反、うつ、残業代未払い、パワハラ、セクハラなどが日常化すると、いわゆるブラック企業と呼ばれるようになり会社の使用を失いかねません。

厚生労働省も2015年から労働環境の監督を強化し、ブラック企業に対する過重労働撲滅特別対策班を設立しました。書類送検の事例となったのひとつは、残業代は適正に支払われていましたが、残業の実態が労使協定とは大きくかけ離れた内容でした。

勤怠管理をしっかり行い、労働の対価として適正な残業代を支払っていたとしても、その残業時間の管理を怠ると違反とみなされることになります。

この違法な時間外労働は、厚生労働省の資料によると調査した事業所の6割を超える結果となりました。その内、月に100時間を超える残業のほか、中には250時間を超える事業所もありました。長時間労働とその労働に対しての残業代未払いは4割超えもあったといわれています。

ずさんな勤怠管理が行われる背景

厚生労働省の調査からも、多くの事業所が勤怠管理を怠っていることがわかりました。このようなずさんな勤怠管理となる背景に、勤怠管理をアナログで管理している点があげられます。

多くの事業所は、勤怠管理をパソコンのエクセルを使用して行っている場合が多くあります。そのため従業員個々が残業の申告をし、担当者も1つ1つ集計をすることとなり多大な時間と労力がかかることになっています。

そのため、多くの事業所では作業効率の悪さから、1つ1つ勤怠管理を行わず、月末に帳尻合わせをする方法をとっているのが現状です。この方法では労働基準監督署が突然やってきても、各従業員の労働状況が正確に把握できていないため、違反とみなされてしまいます。

またサービス残業、過重労働が当たり前になっていると、残業時間も含めた正規の労働時間を申告しづらい環境となっている場合があります。

ずさんな勤怠管理で会社の信用を落とさないために

勤怠管理を怠り、ずさんな管理体制となることで、過重労働やサービス残業が当たり前になり、世間からも従業員からもブラック企業と呼ばれることになります。

反対に勤怠管理をきちんと整備することで、従業員個々の働き方を把握でき、透明性の高い労働環境を作ることもできます。

従来は、紙のタイムカードによる勤怠管理が一般的でしたが、従業員による不正打刻や、管理者による操作で簡単に労働時間を偽装することができてしまっていました。

事業者側、従業員側双方にとってデメリットの多かった勤怠管理システムですが、近年はインターネットや電子機器の進歩で、不正をしにくい勤怠管理システムがたくさん出てきました。

例えば、不正打刻防止では、静脈認証や顔認証、GPSを使った機能のものもあります。一人一人がスマートフォンなどの端末を利用し、正確に出勤や退勤時間を打刻することができます。なりすましを防げるほかに、GPSも併用していれば打刻場所が退勤場所と一致するかも確認できます。

インターネットを使った管理のため、集計も楽にすることができ、残業時間の計算や、有給休暇の残日数なども従業員一人一人を個別に管理することができます。

そのため集計担当者の負担を減らせるほかに、働き過ぎの従業員には早めに休みをとらせる、仕事を割り振るなど管理者としての配慮を見せることもできます。

厚生労働省もブラック企業に対する取り締まりを強化しています。万が一労働基準監督署が勤怠管理について調べにきても、勤怠管理システムをきちんと整備しておくことで、そこから必要なデータを取り出すだけで解決します。

(画像はイメージです)