消費税率引き上げや、人手不足などで注目される賃金改善の動向

2019年2月14日、株式会社帝国データバンクは、2019年度の賃金動向に関する企業の意識について調査した結果を発表した。

調査期間は2019年1月18日~31日、調査対象は全国2万3,035社で、有効回答企業数は9,856社(回答率42.8%)である。賃金に関する調査は2006年1月以降、毎年1月に実施し、今回で14回目だ。

2018年の景気は「回復局面」とする企業が2年ぶりに1割台に低下して厳しさが増したなか、2019年10月には消費税率引き上げを控え、人手不足が深刻化する状況で、2019年度の賃金改善の動向が注目される。

なお、賃金改善とは、ベースアップや賞与(一時金)が増加することで、定期昇給は含まない。

調査結果の概要

2019年度の賃金動向についての質問に対し、正社員の賃金改善が「ある」と見込む企業は55.5%と、3年連続で5割を超えた。

一方、「ない」と回答した企業は19.1%と前回の18.4%より若干上回った程度であり、賃金動向は概ね改善傾向にある。

また、賃金改善が「ある」と回答した企業を業界別にみると、『建設』、『製造』、『運輸・倉庫』の順になっている。

賃金改善の具体的内容は、「ベースアップ」45.6%、「賞与(一時金)」30.3%となり、3年連続で、「ベースアップ」は4割台、「賞与(一時金)」は3割前後を推移している。

賃金改善が「ある」と回答した理由としては、「労働力の定着・確保」が80.4%と過去最高を更新し、人手不足のなか、人材の定着・確保のために賃上げを実施する傾向が一段と強まっている。

次いで、「自社の業績拡大」40.9%、「同業他社の賃金動向」24.4%、「最低賃金の改定」16.3%となっている。

他方、賃金改善が「ない」理由は、「自社の業績低迷」が52.6%でトップであるが、前回より3.0ポイント減少し、減少傾向にある反面、「人的投資の増強」や「消費税率引き上げ」を理由とする企業が増えている。

2019年度の各企業の総人件費は、2018年度より平均で3.02%増加した。「増加」と回答した企業は70.5%と2年連続で7割を超えた一方で、「減少」は6.7%にとどまり、人件費が増加すると見込んでいる企業が多数だ。

また、総人件費増加割合の範囲別では、「5%以上10%未満増加」が13.8%で2.1ポイント高まった一方、「1%以上3%未満増加」が29.0%で2.3ポイント低下し、2019年度の人件費伸び率はやや上昇すると予想される。

「増加」すると回答した企業の割合を業界別にみると、『運輸・倉庫』が最も高く、深刻な人手不足が続いている『建設』、『製造』、飲食店や情報サービスなどの『サービス』が、3%を超える増加になると見込まれる。

(画像はプレスリリースより)

▼外部リンク

帝国データバンク 景気・経済動向記事
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p190206.pdf